創造的模倣戦略

イノベーションを生み出し、新製品を市場へ導入して成功することはすばらしい。しかし、そういう製品の完成度を高め、顧客にとっての価値を付加して市場に導入させることも同様にすばらしいと言えるのではないか。

創造的模倣戦略(創造的模倣戦略(有斐閣) S・P・シュナース)の提唱者S・P・シュナースは、上記のような視点から、単なるコピーとしての模倣ではなく、創造性を加味した模倣の有効性を説く。

特に創造性の視点を、「低価格」「改良」「市場力の行使」という3点に置き、
-低価格は、市場の成長に合わせ、一気に消費者を獲得することができ、
-改良は、品質やデザインなどで先発を上回ることができ、
-市場力は、強力なブランド力や流通力により、先発を圧倒できる、
としている。

低価格の方法としては、先発者の製品と全く同様のものを低価格で売ったり、あるいは、機能を絞り込んだ簡易バージョンを非常に安く売る方法がある。

これは先発者が提示している価格を支払う気がない消費者を引きつけ、一気に市場拡大するのに効果的なのだそう。

また改良は、技術的超越という形を採ることが一般で、先発者の製品をはるかに凌ぎ、それを時代遅れにしてしまう第二世代の技術で参入する。

とはいえ、技術だけでなく、先に述べた品質やデザインも改良のポイントであり、このような場合は、二番手だが質では優れているというようなやり方で成功することになる。

また市場力は、模倣者が先発者に取って代わることのできた理由として最も多く出てくるものだそう。

ここでいう市場力とは、
1.模倣品を販促するだけのマーケティング力。また知名度の高いブランド名、名声、既存の顧客
2.既存の流通チャネル
3.ビジネスを成長させるだけの財務資源

特に模倣者の優位性が最大になるのは、広告と流通が最も重要であるような製品カテゴリーの場合だそう。ヘルシア緑茶(花王)を追随した時のサントリー(黒烏龍茶)は、まさしく広告と流通が要だったように思う。



カテゴリー構築戦略

「マーケティング戦略論(ダイヤモンド社)ドーン・イアコブッチ編著」によると、この戦略をカテゴリー構築戦略といい、構築するカテゴリーを使用していない人々、もしくは企業が考えているのとは違う目的のためにそのカテゴリーを使用している人々をターゲットとする。

ゆえに当該戦略の目的は、他のカテゴリーではなく、そのカテゴリーを使用することによって、何らかの目的を達成することを検討するよう、人々を説得することだそう。

またこの戦略がどういう場合に向いているかというと、まだカテゴリーが飽和していないで、カテゴリーのために発生した需要を自分の商品に向けることができる企業に適しているという。

具体的には、1970年代のライトビールや80年代のヨーグルト、90年代のスポーツ飲料のようにカテゴリーが新しい場合がひとつ。

またコーヒーのように、消費者基盤を失って成熟したカテゴリーにもいいとしている。




ブランド

欧米では企業名と各商品ブランドが切り離された形での独立ブランドが多く見られるのに対して、日本では企業名自体がひとつのブランドとして機能し、また、企業名と個別商品名ないし個別ブランド名とを組み合わせた二階建て構造が一般的であるという。

またブランドには、識別手段としての識別因子機能、消費者の購買意欲を喚起する駆動因子機能、ブランドの品質保証をする裏付・保証因子機能の3つがあるが、日本においては企業名が裏付・保証因子機能を果たしているという。


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